Environment 環境

事業会社としての取り組み
‐気候変動への対応

「カーボン・クレジット※1市場」への参加

株式会社ミツウロコヴェッセルは、東京証券取引所が行っていた「カーボン・クレジット市場(実証事業)」に2022年12月より参加していましたが、2023年10月11日に正式に開設された「カーボン・クレジット市場」へも参加することとしました。

※1 カーボン・クレジットとはCO2等温室効果ガスの排出削減量を取引できる仕組みであり、2050年カーボンニュートラル目標実現のため、政府決定の「GX実現に向けた基本方針」でも示された、CO2排出量の着実な削減と経済合理性が期待されます。 東京証券取引所は、2022年度に経済産業省から受託、実施した「カーボン・クレジット市場の技術的実証等事業」から得た知見と市場運営の経験を活かし、2023年10月11日に正式にカーボン・クレジット市場を開設しました。

「カーボン・クレジット市場」実証事業への参加

SmartOWL®によるLPガス業務の効率化

LPガス事業において、既存の業務フローを今一度見つめ直すことで無駄を省き、結果として低炭素社会の実現へ貢献しています。
SmartOWL®(スマートオウル)サービスは、LPガスメーターの情報を収集・分析し、「検針」「容器配送」といった従来は人の手によって行われていたLPガス業務の自動化や省力化を実現するソリューションです。また、LPWAにより収集した情報を、配送効率化に結び付ける一連のビジネスモデルと独自のロジックについて4つの特許を取得し、より多くのLPガス事業者様に本サービスをご利用いただけるよう展開しています。

SmartOWL®による配送効率化

配送効率化による労働力不足の補完と環境負荷低減

LPガスを利用するためには、消費者宅へLPガス容器をトラックで配送することが欠かせませんが、この配送業務を効率化することでトラックの走行距離が短縮され、これによりCO2排出量の低減が期待できます。株式会社ミツウロコクリエイティブソリューションズは、P34の「サービスイメージ図」に記載の4つの特許技術とノウハウを搭載した「SmartOWL®配送効率化ソリューション」を2021年10月からLPガス事業者様へ提供しています。
グループ企業の配送業務においては利用開始前の一年間と導入後の一年間の配送回数を比較したところ、79,320回/年から51,839回/年と年間27,481回の削減が図られ、配送効率化により労働力の不足を補完するとともに配送時に排出されるCO2の削減に貢献しています。

配送効率化による労働力不足の補完と環境負荷低減

配送効率化による効果

配送効率化による効果

サービスイメージ図

サービスイメージ図

検針の自動化による環境負荷低減

従来LPガスの販売量を把握するためには、消費者宅へガスメーターの指針を読み取る「検針」に訪問する必要がありました。LPガス供給地域の特性上、「検針」の際の移動には主に車が使われています。株式会社ミツウロコクリエイティブソリューションズが2019年4月から提供している「LPガスメーター情報提供サービス」では、遠隔で指針値を読み取ることができるため、「検針」の際の車移動がなくなり、結果としてCO2の排出削減につながります。
検針の自動化による環境負荷低減1
検針の自動化による環境負荷低減2

風力発電事業

風力発電は、風の力で風車をまわし、その回転運動を発電機に伝えて電気を起こします。風力エネルギーの40%を電気エネルギーに変換できる比較的効率の良い発電方法です。海岸線の長い日本では、安定した風力(平均風速6m/秒以上)を得られる場所が多く、風車の活躍が期待されています。

風力発電事業
     

総発電出力

2007年 3月

的山大島
風力発電所
長崎県平戸市大島村 32,000kW

2008年 1月

神栖風力発電所 茨城県神栖市柳川 10,000kW

メガソーラー事業

メガソーラーとは、住宅用太陽光発電と発電の仕組みは同じですが、住宅の屋根の上に設置するのではなく、未利用の広大な土地などに設置する、大規模な発電容量を持った産業用の発電設備をいいます。事業参画する発電出力約14,500kWの茨城県「水郷潮来ソーラー発電所」、発電出力約40,000kWの千葉県「富津ソーラー発電所」は、ともに次世代のエネルギーとして大きな期待が寄せられています。

メガソーラー事業
     

総発電出力

2014年 2月

水郷潮来ソーラー発電所 茨城県潮来市前川 14,500kW

2014年 7月

富津ソーラー発電所 千葉県富津市加藤下薊作 40,000kW

2メガワット未満の太陽光発電所

当社グループでは、再生可能エネルギーの普及のため、太陽光発電システムや燃料電池等の利用拡大に努めています。
上記メガソーラーより小規模な太陽光発電所(2メガワット未満)においては、現在19ヵ所が稼働しており、2022年度の総発電量は、6,956千kWhでした。

2メガワット未満の太陽光発電所(市民ソーラー)

バイオマス発電事業

バイオマスとは、生物が太陽エネルギーを使って無機物である水とCO2からつくり出した有機性資源のことです(化石燃料は除く)。生命と太陽エネルギーがある限り、持続的に再生可能なエネルギーです。その中でも間伐材や建設廃材など、樹木に由来する「木質バイオマス」を燃料としています。木質バイオマスを燃焼することで発生するCO2は、木が成長過程で光合成により大気中から吸収したもので、実質的に大気中のCO2を増加させることがありません。このことを「カーボンニュートラル」と呼びます。

バイオマス発電事業
     

総発電量

2006年 1月

ミツウロコ岩国発電所 山口県岩国市 わが国初の木質チップ専焼
の1万kW級発電所です。

ミツウロコ岩国発電所で発電した電力は当社電力販売事業のお客様へお届けしています。

再生可能エネルギーの主力電源化の普及、
電力系統の安定化に貢献する系統用蓄電所の開始

ミツウロコグリーンエネルギー株式会社は、愛知県田原市および宮城県仙台市に新たに系統用蓄電池を設置し、商業運転を開始しました。愛知県田原市の蓄電所においては既存の風車の劣化撤去に伴い接続が可能となった連系線を活用し、蓄電池を設置しており、リプレイスが不可能な跡地にも運用を変換して再生可能エネルギーの拡大の役割を担っています。
2050年のカーボンニュートラルの実現に向けて再生可能エネルギー発電設備(以下「再エネ電源」)の普及拡大が必要とされている一方で、太陽光や風力などの発電設備は季節や天候に左右されるため、発電量の予測や制御が困難という課題があります。この課題を解決する手段として、不安定な発電量を制御する「調整力」の確保が不可欠となります。
本蓄電所においては、蓄電池を「調整力」として活用し、再エネ電源の発電計画に対する過不足分を蓄電池の充放電制御で補うことで電力系統※1の安定化にも寄与します。また、本蓄電所は分散型エネルギーリソースの制御などに用いることも可能です。
同社は、アグリゲーター※2として自社システム※3を用いて運用を行い、需給調整市場や容量市場などの市場へ参入し、一層の再エネの導入拡大、系統の安定化に貢献すべく取り組んでいきます。

再生可能エネルギーの主力電源化の普及、電力系統の安定化に貢献する系統用蓄電所の建設準備の開始
  • 電力を需要家の受電設備に供給するための発電・変電・送電・配電を統合したシステム
  • 需要家側の電力需要や分散型電源等(蓄電池や、自家発電設備)を束ねて、効果的にエネルギーマネジメントを行う事業者
  • 2021年12月6日「分散型エネルギーリソースを活用した次世代電力統合システムの開発および実証事業に関し日本工営株式会社と業務提携契約を締結」
    https://www.mitsuurokogreenenergy.com/news/pdf/release_211206.pdf
       

出力/容量

2023年9月

ミツウロコ愛知県田原蓄電所 愛知県田原市六連町
当社が所有していた風力発電所の老朽化に伴い、風力発電所を撤去し、
既存の系統枠を利用(設備変更)し、本蓄電所を設置しました。
ミツウロコグリーンエネルギー株式会社 1,500kW/
6,000kWh

2023年12月

ミツウロコ宮城県仙台蓄電所 宮城県仙台市宮城野区 ミツウロコグリーンエネルギー株式会社 1,534kW/
6,140kWh

再エネアグリゲーションビジネスの参画に向けた取り組み

ミツウロコグリーンエネルギー株式会社は、再エネアグリゲーションビジネスの参画に向けて、蓄電池等の分散型エネルギーリソースを活用した次世代電力統合システム「電力制御統合セントラル(Integrated Power Control Central)」(以下IPoCC)の開発および実証事業に関し、日本工営株式会社と業務提携し、運用を開始しています。
本業務提携により、変動性の高い太陽光発電、風力発電等の再生可能エネルギー発電設備における発電量予測や再生可能エネルギーの需給調整サービスをはじめ、蓄電池等の分散型エネルギーリソースの制御などを用いることで、安定的かつ効率的な電力の需給バランスを組成するシステム「IPoCC」の構築を目指します。これにより、2021年度から段階的にはじまった需給調整市場や2024年度より開始する容量市場にもよりスムーズに対応できるようになります。
ミツウロコグリーンエネルギーと日本工営は、“epochmaking”を掲げ、次世代のスタンダードとなるような電力制御システムを目指して「IPoCC」の開発および実証に取り組むとともに、システムの外販化も見据え、将来のアグリゲーションビジネスの事業化等、再生可能エネルギーの普及と脱炭素社会の実現に貢献していきます。

再エネアグリゲーションビジネスの参画に向けた取り組み

「省エネコミュニケーション・ランキング制度」五つ星獲得

ミツウロコグリーンエネルギー株式会社は、経済産業省・資源エネルギー庁が実施する「省エネコミュニケーション・ランキング制度」の2023年度評価結果において、2022年度に引き続き、小売電気事業者として最高評価の五つ星を145点満点中の満点にて獲得しました。
本制度は、各事業者の「省エネ」に関する一般消費者向けの情報提供やサービスの充実度、取り組み状況を評価し公表するもので、一般消費者が評価結果を電力・ガス会社を選択する際の参考情報として活用すること、提供された「省エネ」情報を基により一層の「省エネ」に取り組んでいただけるようにすることを目的としています。
ミツウロコグリーンエネルギーは、お客様にとって有用な「省エネ」に関する情報提供やウェビナー、SNSを活用した環境問題や脱炭素に係る取り組みの情報配信、節電を促すデマンドレスポンスサービスの利用拡大に積極的に取り組んでいます。

「省エネコミュニケーション・ランキング制度」五つ星獲得

次世代電力統合システム「IPoCC」のデマンドレスポンスサービスの機能向上と拡充

ミツウロコグリーンエネルギー株式会社は、2021年7月より、特別高圧・高圧のお客様を対象に「デマンドレスポンス(以下「DR」)サービス」の提供をしていますが、2022年7月より一般家庭の皆様へのDRサービスも追加して提供を開始しました。
昨今の燃料価格高騰や火力発電所の休廃止、猛暑等の影響により、厳しい電力の需給環境が続く状況下にあり、昨年度よりさらなるサービス向上も目的にシステムを改善して運用している次世代電力統合システム「電力制御統合セントラル“IPoCC”」のDRサービスを引き続き運用しています。お客様のニーズに合わせ常に改善し進化しています。

<追加機能>

  • DR実施結果レポートの早期配信
  • 長期間のDR発動

デマンドレスポンスとは、電力の消費を減少または増加させることにより電力の需要と供給のバランスをとるために、卸市場価格の高騰時または系統信頼性の低下時において、電気料金価格の設定またはインセンティブの支払に応じて、需要家側が電力の使用を抑制するよう電力の消費パターンを変化させる仕組みです。
再生可能エネルギーの普及が進む中、発電が天候に左右されることに対応する調整の仕組みが求められており、DR は有効な手段となっています。

電気自動車向けの充電事業における協業

ミツウロコグリーンエネルギー株式会社は、2023年10月31日、電気自動車(以下、「EV」)向けの充電事業における協業に向けて、ユアスタンド株式会社(以下、「ユアスタンド」)と資本業務提携を行うにあたり、業務提携に関する基本合意書、および当社を引受先とする第三者割当増資のための投資契約書を締結しました。
この資本業務提携により、ユアスタンドが有するEV充電器の販売、設置における豊富な実績や経験と、当社グループが有する顧客基盤や全国の販売網を組み合わせることにより、わが国のEV充電インフラの普及に貢献します。また、ユアスタンドのEV充電管理システムと、当社グループの独自の電力メニューを組み合わせることで、社会全体の電力需給バランスの平準化に貢献したいと考えています。

電気自動車向けの充電事業における協業

山口県企業局が保有する水力発電所を活用した山口県内限定メニュー「やまぐちぶちエコでんき」募集開始

ミツウロコグリーンエネルギー株式会社は、山口県内の法人を対象に、山口県企業局が保有する水力発電所の電力を活用した地産地消を促進する新たな電力メニュー「やまぐちぶちエコでんき」※1について、2024年2月1日より、お申し込みの受付を開始し、4月より供給を開始します。

「やまぐちぶちエコでんき」
「やまぐちぶちエコでんき」加入メリット

EV(電気自動車)保有者限定メニュー「EVスマトクプラン」募集開始のお知らせ

ミツウロコグリーンエネルギー株式会社は、2024年2月6日よりEV(電気自動車)保有者向けに「EVスマトクプラン」の受付を開始しました。
本プランは、EVの充電やその他家電製品の利用時間を工夫することでお得に利用できる電力プランです。平日・休日を問わず、毎日11~13時の時間帯は「充電タイム」として、さらにお得にご利用いただける料金設定としていることが特徴です。また、電力需要が伸びやすい夕方から昼時間へ電力使用をシフトすることで、電力が逼迫しやすい夕方の需要量を抑えることにより、社会全体の電力需給の平準化に寄与したいと考えています。
EV(電気自動車)保有者限定メニュー「EVスマトクプラン」募集開始のお知らせ

その他の気候変動対策への取り組み

国産小麦を利用したパンづくり

株式会社ミツウロコプロビジョンズが運営するベーカリー「麻布十番モンタボー」では、国産小麦を利用した冷凍パンの販売に注力しています(国産小麦を利用したパンの比率は店舗により異なります)。国産小麦を原材料とすることで輸送距離を短くし、また石臼挽きで製粉した原材料を採用し、各店舗で焼き上げた製品をお客様にご提供しています。
これら環境・健康・美味しさ(香り)にこだわりぬいた商品は、新しい価値として多くのお客様にご支持いただいています。

国産小麦を利用したパンづくり

本『みうちゃんのふしぎなハコ』をPODと電子書籍で販売開始

作家ナムーラミチヨとコラボレーションした絵本『みうちゃんのふしぎなハコ』を、2023年7月5日より株式会社PUBFUNのPOD(プリント・オン・デマンド)取次サービス、2023年9月8日より株式会社メディアドゥの電子書籍取次サービスにて、それぞれ出版・販売を開始しました。
POD(プリント・オン・デマンド)とは、ストアでご注文ごとに印刷・製本を行い、ペーパーバックでお届けする新しい出版方式です。環境に優しく、サステナブルなビジネスモデルとして注目されています。

本『みうちゃんのふしぎなハコ』をPODと電子書籍で販売開始

自社施設屋上への太陽光発電ソーラーパネル設置

当社海外子会社であるGeneral Storage Company Pte.Ltd. (以下「GSC社」)は、ESGビジョンとして、"a green and caring tomorrow with self-storage”を掲げています。同社セルフストレージブランド『Lock+Store』は、このミッションを実現すべく太陽光発電事業者であるUnion Solar社と18年間の購入契約を締結しました。当社の運営するトランクルームであるChai Chee施設の屋上に設置(2023年1月完成)した太陽光発電ソーラーパネルは、最大出力が約487.3kWpとなり、同施設で自家使用することにより化石燃料由来のエネルギー使用量を約30%削減する見込みとなります。

自社施設屋上への太陽光発電ソーラーパネル設置1
自社施設屋上への太陽光発電ソーラーパネル設置2

空きスペースの菜園利用

『Lock+Store』は、現地園芸企業のSG Gardens社と提携し、Chai Chee施設の空きスペースの菜園利用に着手しました。菜園での収穫物は低所得世帯を支援するチャリティー団体に寄付、またはレストランへの販売を行います。

空きスペースの菜園利用1
空きスペースの菜園利用2