「豊かなくらしのにないて」として、
地球にやさしいサステナブルな社会を実現します。
ミツウロコは「環境適応業」
当社には「ミツウロコは環境適応業である」という言葉があります。当社は創業から137年を迎えますが、創業以来長い年月にわたり主要事業が変わりながらも今日まで会社が続いてきたのは、まさに環境に適応してきたからですが、これからもミツウロコグループが発展していくためには、いつの時代も変わることなく、私たちが “環境適応業”の名に相応しい会社であるか常に自問自答し続けることがとても大切なことであると考えています。
環境に適応する。簡単そうですが、時として実行は難しい。それは、ひとつの試みが上手にできて、それが成功事業となっていても、あらゆる角度から自分自身を見つめ直し、常に改善して、お客様が求めるものに変えていかなければならないからです。
企業は永続しなければなりません。私たちが後世に暖簾を引き継いでいく上で、なくてはならない肝腎要の要素は、規模の大きさや体力といったものだけでなく、変化に適応しようとする強い意志と変化への適応力だと思います。
そして“環境適応業”として大事な視点は、“お客様起点”です。イノベーションという単語が日本語では、「技術革新」と一般的に使われていることが多いようですが、私は「環境適応+創造」と同義であると思います。イノベーションは、顧客抜きには為されないと確信していますので、“お客様起点”を徹底することでしか、ミツウロコグループが永続し、暖簾を後世に受け継いでいくことができないと思います。
お客様が何を感じ、何を考え、何を求めているのか、“お客様起点”で考えて行動すること、お客様の不の解消に努めるということは、常に世の中の半歩先を見通して、商品やサービスをお届けし、延いては世の中が必要とする事業を行うことに他ならないからです。
“品の良いのはミツウロコ”という標語は、私たちの前垂れにある標語です。仮名にすると十二文字のこの標語は、煉炭の製造出荷管理にも使われていたと先輩から教わりましたが、私がこの標語から感じるのは、往年のミツウロコには、メーカーとしての“誇り”、品質への“誇り”、そして、豊かなくらしを創っているという“誇り”など、自分たちの生き様に対する崇高な“誇り”を持っていたのだということです。
私たちは環境適応業です。いつの時代も世の中は変わり続けます。私たちも夢に向かって変わり続けます。次の時代も、その次の時代も。50年後も、100年後も。
企業の社会的な義務を果たすことで企業価値向上を実現
私が社長に就任して2年目の株主総会で、投資家から「株価の適正水準についてどのように考えているか?」という質問があり、「PBR1倍というのが最低責任です」と答えた記憶があります。それからずっとPBRは意識し続けていますが、自社株買いや一過性の配当増加のような小手先の手段では意味がありません。これも株主総会での話ですが、「企業の社会的責任とは何と考えているか?」という問いに対して、私は「雇用と納税です」と答えました。ミツウロコグループではパートやアルバイトまで加えたら約3,700人の方々を雇用しています。会社に利益がなければ給料も上がらないし納税額も上がりません。従業員の給料を上げ、待遇を良くするために売上を拡大し、利益率も上げていく。こうした健全な企業努力を続けることこそが、PBR1倍超を達成する一番の近道であり王道であると私は考えています。PBRという指標について、常に私は意識していますし、大切な指標です。ただし、指標を向上させるために何かするということではなく、企業の本質的な義務を果たした結果として指標を向上させなければ意味がありません。その意味で「雇用と納税」を意識することでPBRを向上させることができると信じています。
株主の皆様には、当社の株式を長期的に保有いただくことでメリットを得られるような施策を打ち続けることが大切です。私が目指しているのは投機的な短期間のリターンを得られる会社ではなく、安定・安心して投資ができる会社です。長期的な成長戦略・事業ポートフォリオ戦略を実行し、純資産を積み上げて配当を増やし、利回りが大きくなるような経営をしていきます。そして企業価値の向上のためには、当社の魅力や考え方、成長性といったことをしっかりと伝えていくことも重要だと考えています。
6つのマテリアリティへの取り組み
ミツウロコグループでは 1環境への貢献2地域社会への貢献3コンプライアンスの徹底4安全および災害対策の強化5健康経営6ダイバーシティの推進の6つをミツウロコグループのマテリアリティとしてサステナビリティ経営に取り組んでいます。
環境への貢献
ミツウロコグループは、この地球から事業活動に必要な資源等、様々な恩恵を受けており、地球環境をより良い状態に保全していくことが自らの責務であることを自覚しています。気候変動対策として地域に根差したグループの総合力を活かし、地域の安定供給を担う主体として、有事にも対応可能な供給インフラの維持と整備を図るとともに、お客様のニーズの多様化、選択志向に合わせた様々な取り組みを行っています。
CO2削減を重視されるお客様に向けた再生可能エネルギー由来にこだわった低環境負荷の電力プランの提供や、遠隔自動検針の指針情報を活用し最適な配送計画を立案する配送業務効率化ソリューションの提供などにより、CO2排出量の削減や再生可能エネルギーの普及、燃料消費量の抑制等、サステナブルな社会の実現に向けてミツウロコグループ全体で取り組みを推進しています。
2050年のカーボンニュートラルの実現に向けて再生可能エネルギー発電設備(以下「再エネ電源」)の普及拡大が必要とされている一方で、太陽光や風力などの発電設備は季節や天候に左右されるため、発電量の予測や制御が困難という課題があります。この課題を解決する手段として、不安定な発電量を制御する「調整力」の確保が不可欠となります。
ミツウロコグリーンエネルギー株式会社では蓄電池を「調整力」として活用し、再エネ電源の発電計画に対する過不足分を蓄電池の充放電制御で補うことで電力系統の安定化にも寄与いたします。また、本蓄電所は分散型エネルギーリソースの制御などに用いることも可能です。
同社は、需給調整市場や容量市場などの市場へ参入し、一層の再生可能エネルギーの導入拡大、系統の安定化に貢献すべく取り組んでまいります。
地域社会への貢献
ミツウロコグループは、事業を営む上で、これまで多くのステークホルダーに支えられてきました。その中でも地域社会の皆様の存在は欠かすことができないものです。
ミツウロコグループはこれまで、ビジネスを通じた関係だけでなく、地域の清掃活動や行事への参加、チャリティ活動、スポーツなどの様々な関わりを通じ、伝統的に地域との信頼関係を築いてきました。ミツウロコグループは、この地域社会における企業市民として、たとえ小さなことでも自分たちができること、するべきことに全力で取り組み、地域社会と共存・共栄をしていきたいと考えています。
コンプライアンスの徹底
ミツウロコグループは、常に正道に立ちお客さま起点で社業を運営することを経営理念に掲げ、経営・事業活動における法令遵守の必要性を唱えてきました。これまでも有効かつ適正な内部統制を徹底しつつ、各種コンプライアンス研修の実施、不正事例に関するオリジナルの研修映像作成やコンプライアンスカードの常備携帯などを通じ、法令遵守体制の維持を図っています。
安全および災害対策の強化
安全は、ミツウロコグループの推進する事業すべての特性から、欠かすことのできないものです。特に主力であるエネルギー関連製品は、ライフラインとして私たちの生活に直結しており、エネルギーの安定供給、安全・安心・迅速な物流サービスを通じて社会に貢献することがミツウロコグループの使命です。
BCP対策として、株式会社ミツウロコクリエイティブソリューションズにおいてミツウロコグループにおけるシェアードサービス部門として、 埼玉県さいたま市の「ミツウロコ事務センター」に加え、2022年7月に長野県長野市にミツウロコ事務センターの「長野オフィス」を開設しました。当オフィスの開設により、グループ各社に分散されていた業務の集約による業務の高度化・効率化を推進しつつ、一極集中による災害発生時等での業務停止リスクを未然に回避し、非常時においても業務が継続されるための体制を構築しました。埼玉県さいたま市での業務が不可能となった際はBCPプログラムを発動し、あらかじめ設定された非常時における業務へと移行できる体制を整備しています。
健康経営
ミツウロコグループでは、人財こそ最大の資産であるという考えに従い、将来の成長力の源泉である従業員の健康管理を重要な経営課題として捉えています。「ミツウロコグループヘルスケア宣言」のもと、一人ひとりが多様なライフステージに向かっていることを尊重し、様々な取り組みや情報発信を通じて、従業員の自律的・積極的な健康増進をサポートしてきました。
ダイバーシティの推進
ミツウロコグループは、時代が求めるものを生業とする「環境適応業」として成長し、時代とともに変化することを理念としてきました。今後は環境に後追いで適応するのではなく、私たち自身で新しい環境やより良い環境を提案し創ることが持続的な成長の実現に必要だと考えています。そのためには、ミツウロコグループにおいても、新卒・中途採用、雇用形態、国籍、性別、年齢、宗教等に捉われない組織と、その多様性を受け入れ強みとして活かす企業文化の醸成が不可欠です。
ミツウロコグループ自体が「好循環を創造する企業」となり、「私たちが変化し続ける」ことで、新しい時代を創っていく存在になりたいと考えています。
これからも変化する社会環境へ挑戦を続ける
当社グループでは、経営理念を「わたしたちは 豊かなくらしのにないてとして 常に正道に立ち お客さま起点で社業を運営します」と掲げ、エネルギーを中心とした生活者周辺サービスの充実を図っています。常に生活者目線で新しいサービスを拡充していくのはもちろんのこと、自然エネルギーの活用や省エネ住宅機器の設置推進等により、引き続き地球環境保全へ貢献していきます。また、特にエネルギー製品では「安全・安心」を最優先して提供できるよう保安への取り組みを継続的に強化し、事業活動ではコンプライアンスに重点を置き、企業の社会的責任を果たしていきます。
ミツウロコグループはこれまで、社会やお客様のニーズの変化を感じ取り、常に将来を見据えながら、そして自らも変わりながら、失敗を恐れず挑戦し続けてきました。私たちは、くらしを豊かにすること、お客様が喜ぶこと、人が笑顔になることを積み重ね、未来を切り開いていくことが私たちの使命であり、私たちができることであると考えています。
我々を取り巻く社会背景、事業環境はこれまでにない勢いで変わり続けています。その中で、今後も事業の持続的成長を遂げていくためには、真の「環境適応型企業」になっていくことが求められます。経営理念を守りつつ、ミツウロコグループならではの価値を世界中の人々に届け続けることを実現するための基本方針、活動計画のテーマとして「Mitsuuroko Great Reset」を掲げました。ミツウロコグループのあるべき姿を定め、その実現に向けてあらゆる側面を見つめ直し、刷新していくという想いをこめています。
そして、我々が行動していく中でのキーワードとなるのが「SOLA」です。「SOLA」とは「S(Simple)」単純明快な、「O(Organic)」有機的な、「L(Live)」活き活きとした、「A(Advanced)」高度先進的な、の頭文字をとった私たちの造語ですが、この4つを切り口に、ミツウロコグループがより魅力的で、より強い会社に変わっていけるように、「SOLA」に新しい視点を加えながら、事業や組織、考え方の自浄能力を高め、活性化を図り、持続的な成長を目指します。